「アウトライン化」とは?メリットや手順を解説!

2024.07.22
「アウトライン化」とは?メリットや手順を解説!

こんにちは!アクリルの仙人編集部です!


今回は、アクリルグッズ制作時によく出てくる単語について説明・ご紹介いたします。

グッズ制作時、制作ガイドや各種サイトを読んでいてもわからない単語って多いですよね。グッズを作りたい!と思っても、方法や用語がわからずに腰が重くなったり諦めてしまったりすることもあるのではないでしょうか。


より気軽にグッズ制作ができるように、アクリルの仙人ブログではグッズ制作にまつわる単語を解説しています。

今回は「アウトライン化」についてです。単語の意味はもちろん、アウトライン化のメリットや実際の手順をご紹介しています。「アウトライン化」は高品質なグッズを作るために、欠かせない大事な手順です。

制作を検討している方、入稿作業に手間取っている方など、ぜひお読みください!


アウトライン化って何?

アウトライン化は、簡単にいうと文字オブジェクトを図形化することです。

デザインツール(photoshop・Illustratorなど)で作成したデザインデータの文字を、フォント情報に依存しないベクターデータ(パス・図形情報)に変換することを指します。


※ベクターデータとは、画像や文字デザインを点と線で表現する方法です。データを拡大縮小しても画質が劣化せず、簡単にデザインの編集ができます。


アウトライン化により、各文字を個別の図形として扱えるようになります。そうすることで、フォントの有無にかかわらず、正確にデザインを再現できます。

次のパートで、そのメリットや目的を詳しく解説していきます!


アウトライン化のメリットは?何のためにするの?

アウトライン化が、文字を図形化することだと説明しました。では何のために、文字を図形情報に変換するのでしょうか?


フォントのデザインが崩れにくい

フォントは環境に依存してしまうため、注意が必要です。デザインに使用したフォントが、相手側のコンピュータにインストールされていないと、作成時とデータが変わってしまいます。せっかく作ったデザインが、違うフォントで印刷されたり、文字が崩れたり潰れたりしてしまったら悲しいですよね。

データをアウトライン化すれば、フォント情報に依存しないため、どんな環境でもデザインが崩れることがありません。


高品質な印刷が可能になる

上記で記載したように、アウトライン化されたデザインはベクター形式になります。

ベクター形式は拡大縮小しても画質が劣化しないため、高解像度の印刷が可能です。


部分的かつ柔軟な編集ができる

ベクター形式にはその他にもメリットがあります。各要素が独立しているため、部分的かつ柔軟な編集が容易です。色の変更や形状の調整などを、簡単に行うことができます。


意図しない変更を防げる

アウトライン化された文字は編集ができなくなるため、意図しない変更やフォントの置き換えを防げます。



このようにアウトライン化をすることで、よりイメージ通りの高品質なグッズを作成することができます。

また、何度も編集したり複数人で作業したりする場合、細かな編集ができたり意図しない変更を防げるのも便利です。


アウトライン化の具体例は?

それでは、実際にどんな場面でアウトライン化が活用されているのかを少しご紹介します。


企業・団体などのロゴ

企業やブランドのロゴは、様々なサイズで使用されます。また企業のイメージ等に関わるものなので、崩れやデザインのブレは防ぎたいですね。

アウトライン化することにより、名刺・ウェブサイト・看板など、どのようなサイズでも鮮明に表示できます。


クラス・部活などの名前入りTシャツ

学校生活では、体育祭・文化祭などのイベントでクラスTシャツを作ることがあります。また、部活やサークルでも、大会やイベント等に向けてTシャツを作る機会も多いです。

その際に、クラス・部活名やキャッチフレーズを含むデザインを作ったり、クラスや部活のメンバーの名前を載せることも多いのではないでしょうか。

せっかく考えたキャッチフレーズや、友達の名前が潰れて読めなくなってしまったら悲しいですよね。

アウトライン化をしておくと、印刷業者がどのコンピュータを使用しても、デザインが崩れることなく、正確にTシャツにプリントできます。


文化祭やイベント・新入生歓迎会などのポスター

文化祭や定期公演・演奏会の告知にポスターを作って告知・宣伝する事が多いと思います。また4月などの新入生歓迎の際には、新入生への告知・認知を目的に制作もします。

ポスターを作成し印刷業者に依頼する場合、ポスター内の全てのテキストをアウトライン化すると、フォントが原因でデザインが変更されるリスクを避けられます。


上記の事例に限らず、高品質かつ効率的なグッズ制作をする際にはアウトライン化は欠かせません。

ぜひ入稿前にご検討ください!



アウトライン化はどうやるの?手順を解説!

それでは、実際にアウトライン化をする際の手順をご紹介します。今回は、Adobe Illustrator・Photoshopそれぞれのやり方を解説します。

Illustratorはベクターグラフィックを扱うソフトウェアであり、パスやアンカーポイントを使ったスケーラブルなデザインが得意です。

対して、Photoshopは主にラスター(ピクセル)グラフィックを扱うソフトウェアであり、写真編集やピクセルベースのデザインが得意です。

それぞれ特徴や手順が異なるので、目的に合わせてどちらでデータを作成するか検討してみてください!


Adobe Illustrator(イラストレーター・イラレ)

Adobe Illustratorでのアウトライン化は、テキストを選択して簡単なコマンドを実行するだけで完了します!

テキストをアウトライン化すると、ベクター形に返還されます。そのため、拡大縮小しても画質が劣化しません。また、アウトライン化した後も、パスやアンカーポイントを編集して形状を調整することが可能です。

ステップ 1: テキストを作成または開く

  1. 新規ファイルの作成
    • Adobe Illustratorを起動し、ファイルメニューから「新規」を選択して新しいドキュメントを作成します。
    • 既存のファイルを開く場合は、「ファイル」→「開く」を選択して、アウトライン化したいデザインファイルを開きます。
  2. テキストの入力
    • 「文字ツール」(Tキー)を選択し、キャンバス上でクリックしてテキストを入力します。
    • 必要に応じてフォントやサイズ、色などを設定します。

ステップ 2: テキストを選択

  1. テキストの選択
    • 「選択ツール」(Vキー)を選択し、アウトライン化したいテキストをクリックして選択します。
    • 複数のテキストオブジェクトを選択する場合は、シフトキーを押しながらクリックして追加選択します。

ステップ 3: アウトライン化の実行

  1. アウトラインの作成
    • メニューバーから「文字」→「アウトラインを作成」を選択します。
    • または、ショートカットキー Ctrl + Shift + O(Windows)または Cmd + Shift + O(Mac)を押します。

ステップ 4: 確認と調整

  1. アウトライン化の確認
    • 選択したテキストがアウトライン化され、各文字が独立したパス(図形)に変換されていることを確認します。
    • パスとして表示されるため、文字の輪郭がアンカーポイントとセグメントで構成されているのが見えます。
  2. アンカーポイントの調整
    • 必要に応じて、アンカーポイントやハンドルを調整して、パスの形状を微調整します。これには「ダイレクト選択ツール」(Aキー)を使用します。

ステップ 5: ファイルの保存

  1. ファイルの保存
    • アウトライン化されたデザインを保存するには、「ファイル」→「保存」を選択します。
    • 編集可能な元データを保持したい場合は、異なるファイル名で保存することをお勧めします(例:「デザイン名_アウトライン.ai」)。
  2. ファイル形式の選択
    • 印刷や共有のために保存する場合、PDF、AI、EPSなどのベクターファイル形式で保存することが一般的です。
    • 「ファイル」→「別名で保存」を選択し、希望のファイル形式を選択します。

注意点

  • 編集可能な元データの保存
    • アウトライン化すると、テキストは編集不可のパスに変換されます。そのため、元のテキストデータを保持するために、別途保存しておくことを推奨します。
  • 作業の確認
    • アウトライン化の前にデザインの最終チェックを行い、誤字や配置の問題がないか確認します。

 

Adobe Photoshop(フォトショップ・フォトショ)

Photoshopではテキストをベクターパスに変換することはできませんが、視覚的にアウトライン化を行うことができます。Photoshopでは、テキストをラスタライズしピクセルデータに変換します。ただし、拡大縮小すると画質が劣化することに加え、一度ラスタライズするとテキストとしての編集は不可となります。

以下に、Photoshopでテキストをアウトライン化する手順を詳しく説明します。

フォトショップでのアウトライン化手順

ステップ 1: テキストを作成または開く

  1. 新規ファイルの作成
    • Adobe Photoshopを起動し、ファイルメニューから「新規」を選択して新しいドキュメントを作成します。
    • 既存のファイルを開く場合は、「ファイル」→「開く」を選択して、アウトライン化したいデザインファイルを開きます。
  2. テキストの入力
    • 「文字ツール」(Tキー)を選択し、キャンバス上でクリックしてテキストを入力します。
    • 必要に応じてフォントやサイズ、色などを設定します。

ステップ 2: レイヤーの複製

  1. レイヤーの複製
    • 「レイヤー」パネルでテキストレイヤーを選択し、右クリックして「レイヤーを複製」を選択します。
    • 複製したレイヤーは元のテキストを編集可能な状態で保持するためのバックアップです。

ステップ 3: テキストをラスタライズ

  1. テキストのラスタライズ
    • テキストレイヤーを右クリックし、「テキストをラスタライズ」を選択します。
    • これにより、テキストは編集不可能なピクセルデータに変換されます。

ステップ 4: アウトラインの作成

  1. 選択範囲の作成
    • 「Ctrl」キー(Windows)または「Cmd」キー(Mac)を押しながらラスタライズしたテキストレイヤーのサムネイルをクリックして、テキストの選択範囲を作成します。
  2. 選択範囲の拡張
    • メニューバーから「選択範囲」→「変更」→「拡張」を選択し、アウトラインの太さ(ピクセル数)を指定します。例えば、10ピクセルなど。
  3. 新規レイヤーの作成
    • 「レイヤー」パネルで新しい空のレイヤーを作成します。
  4. 選択範囲の塗りつぶし
    • 「編集」→「塗りつぶし」を選択し、「使用」ドロップダウンメニューで「黒」や「白」などの色を選び、「OK」をクリックして選択範囲を塗りつぶします。

ステップ 5: レイヤーの整理

  1. レイヤーの配置
    • 塗りつぶしたアウトラインレイヤーを、元のテキストレイヤーの下に移動します。
    • レイヤーの順序を確認して、アウトラインが正しく表示されるようにします。

注意点

  • 編集可能な元データの保持
    • ラスタライズするとテキストの編集ができなくなるため、元のテキストレイヤーを複製して保持しておくことを推奨します。
  • アウトラインの調整
    • アウトラインの太さや色は「選択範囲の拡張」および「塗りつぶし」ステップで調整できます。複数のアウトラインを作成する場合は、異なる色や太さで新しいレイヤーを作成して調整します。


アクリルの仙人とは

アクリルの仙人でも、アクリルグッズの制作が可能です。本サービスでは、1個からなど少量のグッズ制作も可能です!なお、単価は以下個数帯で変化します。

・1〜30個

・31〜100個

・101〜300個

・301個〜1000個

1001個以上の大量注文も可能です!大量注文の場合は、専用フォームよりご連絡ください。お見積り等をお出しいたします。


また、注文方法がわからない・注文を悩んでいるが質問をしたい、という場合も、お気軽に

専用フォームよりご連絡ください。


詳細はぜひ、アクリルの仙人公式サイトをご確認ください!


最後に

アウトライン化は、グッズ制作において高品質で一貫したデザインを実現するために、欠かせないプロセスです。アウトライン化によって、フォントの依存や編集の保護、高解像度の印刷が可能になるため、グッズ制作がより効率的かつ高品質に進められます。

特に印刷業者や外部パートナーとのやり取りにおいて、デザインの再現性が高まり、トラブルの防止やスムーズな制作進行が可能となります。

今回紹介したメリットや手順などを踏まえ、グッズ制作の際には必ずデザインデータのアウトライン化を行うことをお勧めします!


それでは今回の記事はここまでとなります。

次回の記事もお楽しみに!!!

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