こんにちは!アクリルの仙人編集部です!
今回は、アクリル素材のリサイクル方法について、ご紹介いたします。
アクリルグッズ制作に欠かせない、アクリル素材。
今後も地球や環境に優しく、SDG’sな活動を続けるためには、アクリルをただ使うだけではなく、リサイクルや再利用ができるといいですよね。
弊社、株式会社ひかりてらすでの事例等も含めてご紹介します。
ぜひアクリル素材のエコ観点にも目を向けてみてください!
アクリル素材って何?
まずは、アクリル素材がどんな素材か?についてご説明します。
アクリル(ポリメタクリル酸メチル、PMMA)は、プラスチックの一種です。石油から取れる「アクリロニトリル」を原料とした、合成繊維です。 しばしば「アクリル樹脂」とも呼ばれます。ガラスに匹敵する透明度があり、軽量で耐久性が高いことから、看板、ディスプレイ、各種グッズなどに広く使用されています。
アクリル製品は非常に丈夫なため、様々なグッズや日常生活で活用されています。ですが、その耐久性ゆえに自然環境での分解には長い時間がかかります。環境への負荷を軽減するためには、アクリル製品のリサイクルや再生・再利用が不可欠です。リサイクルを行うことで、資源を有効に活用し、廃棄物を削減することが可能になります。
どうしてリサイクルが必要なの?
近年特に、アクリル素材のリサイクルや環境に優しいアクリル素材が注目されています。その理由をいくつかご紹介いたします。
①環境負荷の増加
前述のように、アクリルは自然環境で分解されるまでに非常に長い時間がかかります。廃棄されたアクリル製品が埋め立てられると、長期間にわたり環境に残り、土壌や水質汚染の原因となる可能性があります。特に、海洋プラスチックごみによる生態系への悪影響が問題視されている現代では、アクリルなどのプラスチック廃棄物の適切な処理とリサイクルが欠かせません。
②原料である石油資源の有限性
前述のように、アクリル製品を生産するためには、原料となる石油が必要です。ですが、石油資源は有限であり、環境負荷の観点からも持続可能な利用が求められています。リサイクルによって既存のアクリルを再利用することで、石油資源の消費を抑え、資源を有効に活用することができます。
③循環型社会への移行
持続可能な社会を目指す中で、循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行が強調されています。循環型経済とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動です。
そのためには、廃棄物を極力減らし、製品や材料を長期間にわたり使用し続けることが重要です。アクリル製品も使い捨てではなく、リサイクルを通じて再利用し、製品のライフサイクルを延ばすことが求められています。
④企業や消費者の環境意識の高まり
企業や消費者の間で、環境保護やサステナビリティへの関心が高まっています。皆さんも「SDGs」という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか。目標に掲げ、取り組んでいる企業も多くなっています。
企業は環境に配慮した製品やサービスを提供することが求められる一方、消費者も環境に優しい・持続可能な製品を選ぶ傾向が強くなっています。アクリル製品をリサイクルすることで、企業は環境への責任を果たすとともに、消費者に対するエコフレンドリーなイメージを強化できます。
参考:外務省 SDGsとは?
⑤プラスチック廃棄物に対する法規制の強化
多くの国や地域で、プラスチック廃棄物に対する規制が強化されつつあります。こういった法律・規制には、使い捨てプラスチックの使用禁止や、プラスチック製品のリサイクル義務化などが含まれます。アクリル素材もその対象となり、リサイクルを促進するための法的枠組みが整備されることで、企業や消費者はリサイクルに取り組む必要性が一層高まっています。
日本でも2022年から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)」が始まっています。
参考:環境省
⑥「推し活」やポスト・コロナにおけるアクリルの大量廃棄
近年「推し活」が流行し、推しのアクリルスタンド・アクリルキーホルダーなどのアクリルグッズを大量に購入する人も増えています。しかし、「推し」が変わったり、収納スペースが足りなくなったりすると、大量のアクリルスタンドが不要になり、廃棄されてしまいます。
また、2020年からのコロナ禍では感染防止のためアクリル板の需要が高まり、大量に生産・各地に設置されました。ですが2023年の新型コロナの5類への移行を受け、多くのアクリル板が役目を終えて不要になっています。
こういった時代の流れの中で、大量のアクリルが廃棄されないように、リサイクルの必要性はより一層重要なものとなっています。
アクリルのリサイクル方法をご紹介!
このように、様々な理由から、アクリル素材の再利用・リサイクルが非常に重要であることがわかりましたね。
それでは実際にどのようなリサイクル方法があるのかをご紹介します。
機械的リサイクル(メカニカルリサイクル)
アクリル製品を細かく粉砕し、新たな製品の原料として再利用する方法です。廃アクリルを細かく砕き、再度溶かして形を整えることで、新しいアクリル製品に生まれ変わります。
看板やディスプレイなどの製造に適しており、リサイクルされたアクリルの質感や透明度が維持されるのが特徴です。
ケミカルリサイクル
アクリル樹脂を化学的に分解し、元のモノマー(メタクリル酸メチル、MMA)に戻す方法です。このモノマーは、純粋な新素材と同じ品質のアクリル樹脂を再生産するために使用されます。
ケミカルリサイクルは、品質を維持しながらリサイクルできる点で優れていますが、複雑でコストが高いことがデメリットです。
サーマルリサイクル
アクリル廃棄物を燃焼させて、エネルギーを回収する方法です。燃焼によって発生する熱エネルギーを電力や熱供給に利用します。
ただし、この方法は厳密にはリサイクルとは異なり、リユースやリサイクルが難しい廃棄物の最終手段とされています。
再利用(アップサイクル)
アクリル素材は、耐久性や加工のしやすさから、さまざまな形で再利用することが可能です。上記3つの手段に比べて取り組みやすい一般的な方法とも言えますね。
例えば、不要になったアクリルグッズを別のデザインや用途に加工して再利用するアップサイクルの手法が注目されています。デザイン性の高いオリジナル製品を生み出すことで、付加価値を高めることもできます。
このように、一口にアクリル素材のリサイクルと行っても様々な方法やメリット・デメリットがあります。
エコフレンドリーな取り組みのポイントは?
それでは、実際にリサイクル・再利用をしやすくするために、グッズ制作時にどんな取り組みができるのでしょうか。
リサイクルしやすいデザイン
あらかじめ、、リサイクルを考慮した製品デザインを行うことが大切です。分解しやすく、素材を効率的に再利用できるデザインを採用することで、リサイクルプロセスが円滑になります。
リサイクルインフラの整備
アクリル製品のリサイクルを促進するためには、回収システムやリサイクル施設の整備が不可欠です。ペットボトルや紙資源のリサイクルの一連の流れは成熟していますが、アクリルの回収システムやリサイクルの流れについては、現時点で整っていない地域がほとんどです。ペットボトルや紙資源のように、リサイクルのシステムや設備を整備していくことが求められています。消費者への啓発
消費者に対して、アクリル製品のリサイクル方法やその重要性を啓発することも大切です。適切な廃棄方法やリサイクルの意識を高めることで、持続可能な社会の実現や意識向上に寄与します。
このように、事前に再利用やリサイクルを頭に置いてグッズ制作等を行っていくことが大切です。
また、推し活で特に大量生産される「アクリルスタンド」に関しては、ぜひ以下の記事もご覧になってください!
アクリルスタンドのリユース&リサイクル|大ブームの「推し活」で避けて通れない問題
ひかりてらすでの活動事例をご紹介!
ひかりてらすでは、アクリルグッズ等再生利用促進協議にて、事務局を務めています。この団体は、アクリル製品のリサイクルを推進し、SDGsゴールの1つである”つくる責任・つかう責任”を達成することを目的に活動しています。
参考:アクリルグッズ等再生利用促進協議会とは?持続可能な社会の実現に向けて
イベントやリサイクルの事例を以下でご紹介します。
アクリルグッズ感謝祭2023 in 神田明神
イベントに参加いただいた方には回収したアクリルを利用して制作した、再生アクリル板を使用したアクスタケースがプレゼントされました。
アクリルグッズ感謝祭2024 in 神田明神
「アクリルリサイクルBOX」にて、不要になったアクリルグッズ等のアクリル製品を回収しました。当日は多くの方に足を運んでいただき、不要になったアクリル製品を回収することができました。ご協力いただいた方には来場記念として、「リサイクル推進マーク入りの絵馬風アクスタケース」がプレゼントされました。
また、トークショー「推し活だってSDGs! WOLF HOWL HARMONYと語るSDGs」を実施し、WOLF HOWL HARMONYの4人がファンの方とアクリルのリサイクルに関して学び、ショーの後半にはファンの方も交えてのクイズも開催されました。
イベントレポート:【アクリルグッズ等再生利用促進協議会】アクリル感謝祭2024 in神田明神を開催しました
小笠原DAY スクラッチアート・ワークショップ出展
2024年3月に開催されたイベント「小笠原DAY」で、使用済みアクリル板を活用した、アクリルスクラッチアートのワークショップを行いました。スクラッチアートを楽しむだけでなく、アクリル製品のリサイクルの現状や課題について、協議会での活動についてなど、展示パネルを見ながらお話もさせていただきました。
イベントレポート(アクリルグッズ等再生利用促進協議会ホームページ)
今後も、アクリルグッズをはじめとするプラスチック製品のリサイクルを促進するべく、様々な活動に参画していく予定です。興味を持った方がいらっしゃったら、ぜひイベントに足を運んでみてください!
アクリルの仙人ご紹介
そんな弊社ひかりてらすが運営しているアクリルグッズの制作サービス「アクリルの仙人」では、アクリルグッズの制作が可能です。
本サービスでは、大量に生産しなくとも、1個からのグッズ制作も可能です!
さらに、スマートデザインを活用 することで、画像アップロードのみで簡単にグッズ制作が可能です。
なお、単価は以下個数帯で変化します。
・1〜30個
・31〜100個
・101〜300個
・301個〜1000個
1001個以上の大量注文も可能です!大量注文の場合は、専用フォームよりご連絡ください。お見積り等をお出しいたします。
また、注文方法がわからない・注文を悩んでいるが質問をしたい、という場合も、お気軽に
専用フォームよりご連絡ください。
詳細はぜひ、アクリルの仙人公式サイトをご確認ください!
最後に
今回は、アクリル素材のエコフレンドリーなリサイクル方法についてご紹介しました。
アクリルキーホルダーやアクリルスタンドから、アクリル板など、皆さまの周りにも多く存在するアクリル製品。丈夫で扱いやすいアクリル製品はとても便利ですよね。
環境に配慮しながら、今後もアクリル製品を楽しく使い続けられる社会であるために、ぜひリサイクルや環境についても目を向けてくだされば幸いです!
それでは今回の記事はここまでとなります。
次回の記事もお楽しみに!!!